E-BOM
E-BOMとM-BOMの違いとは?設計・製造BOMを連携する方法
製品設計で作成した部品表と、製造現場が利用する部品表は、必ずしも同じ構成になるとは限りません。
設計部門では、製品をどのような部品やサブアセンブリで構成するかを中心にBOMを作成します。一方、製造部門では、どの工程で、どの部品を、どの順番で、どの工場・ラインで組み立てるかを考慮してBOMを利用します。
この目的の違いを表すのが、E-BOMとM-BOMです。
- E-BOM:設計を目的としたBOM
- M-BOM:製造・組立を目的としたBOM
両者は同じ製品を対象にしていても、構成や階層、管理する属性が一致しない場合があります。さらに実際の製造では、M-BOMだけでなく、どの工程でどの部品を使用するかを表すBOPや、ERPで利用する製造BOM、生産計画、所要量計算(MRP)、MESの作業指示まで情報をつなぐ必要があります。
特に設計変更が発生したときは、E-BOMだけを更新すれば終わりではありません。変更がどのM-BOM、工程、ERPの製造BOM、工場、生産計画へ影響するのかを確認し、適切なタイミングで後工程へ反映する必要があります。
本記事では、E-BOMとM-BOMの違いから、E-BOMをM-BOMへ展開する考え方、BOPとの関係、PLM・ERP・MESの役割、設計変更を製造までつなぐ際のポイントまで解説します。
PLMやBOM管理の全体像から確認したい方へ
E-BOM・M-BOMだけでなく、PLM、PDM、ERP、BOM管理、設計変更を含む全体像については「PLMとは?」でも解説しています。
E-BOMとM-BOMとは
E-BOMとは
E-BOMは「Engineering Bill of Materials」の略で、日本語では設計BOM、設計部品表などと呼ばれます。
製品を設計上どのような部品やサブアセンブリで構成するかを表したBOMで、主に設計・開発部門が利用します。
E-BOMでは、例えば次のような情報を扱います。
- 設計上の部品構成
- 部品番号・品目情報
- 部品数量
- CADデータや図面との関係
- 設計仕様
- 技術文書
- 設計変更履歴
- 設計上の親子関係
- 代替部品やオプション情報
E-BOMは、製品の機能や仕様、設計意図を表し、設計変更や部品再利用などを進めるうえで重要な情報になります。
ただし、設計上の製品構成だけでは、実際の製造工程、組立順序、工場ごとの製造方法までは表現できない場合があります。
M-BOMとは
M-BOMは「Manufacturing Bill of Materials」の略で、日本語では製造BOM、製造部品表などと呼ばれます。
設計された製品を実際にどのように製造・組み立てるかという観点から構成したBOMで、主に製造部門、生産技術部門、製造計画部門などが利用します。
M-BOMでは、例えば次のような情報が重要になります。
- 製造・組立に必要な部品
- 製造工程や作業単位
- 組立順序
- 工程内で利用する中間品
- 支給品や消耗品
- 工場・ラインごとの違い
- 製造上のサブアセンブリ
- 作業指示との関係
- 製造に必要な数量や使用単位
M-BOMは、E-BOMをそのまま複製したものとは限りません。設計上の製品構成を、実際の工程、作業場、組立単位、部品供給方法などに合わせて製造可能な構成へ再編成する必要があるためです。
E-BOMとM-BOMは何が違うのか
E-BOMとM-BOMの最も大きな違いは、「何のために製品構成を見るか」です。
| 項目 | E-BOM | M-BOM |
|---|---|---|
| 正式名称 | Engineering BOM | Manufacturing BOM |
| 日本語 | 設計BOM・設計部品表 | 製造BOM・製造部品表 |
| 主な利用部門 | 設計・開発 | 製造・生産技術・製造計画 |
| 主な目的 | 製品をどのように設計するかを管理 | 製品をどのように製造するかを管理 |
| 構成の基準 | 機能・設計・技術仕様 | 工程・作業場・組立順序 |
| 主な関連情報 | CAD、図面、仕様書、設計変更 | 工程、作業、設備、作業指示 |
| 部品のまとまり | 設計上のサブアセンブリ | 製造・組立上の単位 |
| 変更時の主な論点 | 設計変更・改訂・承認 | 工程、工場、適用時期、在庫・仕掛品 |
同じ製品でも構成の見え方が異なる
例えば、設計部門では1つの装置を次のような構成として管理しているとします。
装置 ├─ 駆動ユニット ├─ 制御ユニット ├─ 筐体 └─ 操作パネル
製造部門では、実際の組立順序や工場の作業単位に合わせて、次のような構成へ組み替えることがあります。
装置 ├─ 先行組立品A │ ├─ 筐体 │ └─ 駆動ユニット ├─ 先行組立品B │ └─ 制御ユニット └─ 最終組立 ├─ 先行組立品A ├─ 先行組立品B └─ 操作パネル
この場合、E-BOMとM-BOMは同じ製品を表していますが、階層や部品のまとまりは異なります。
重要なのは、E-BOMとM-BOMを無理に同じ構造にすることではなく、それぞれの構成がどのように対応しているのかを追跡できる状態にすることです。
なぜE-BOMとM-BOMは一致しないのか
1.設計構成と製造構成では目的が異なる
設計では、製品の機能、性能、仕様、技術的な関係を中心に構成を整理します。一方、製造では、作業順序、部品供給、設備、作業者の担当範囲、品質確認などを考慮します。
そのため、設計上は1つのサブアセンブリでも、製造上は複数の工程へ分けることがあります。反対に、設計上は複数の部品でも、製造側では購入済みユニットや中間品としてまとめて扱うこともあります。
2.組立単位や工程単位が異なる
M-BOMでは、製品構成だけでなく実際の製造プロセスを考慮する必要があります。
- どの工程で使用するか
- どの作業場で組み立てるか
- どの部品を先に組み付けるか
- 中間品として在庫するか
- 工程間でどのように受け渡すか
- どの段階で検査するか
そのため、設計上のサブアセンブリと製造現場の作業単位が一致しないことがあります。
3.工場・拠点によって製造方法が異なる
同じ製品であっても、工場によって設備、作業方法、調達条件、使用部品などが異なる場合があります。
- 工場Aと工場Bで使用する部品が異なる
- ある工場ではサブアセンブリを外部調達し、別の工場では社内組立する
- 工場ごとに工程や組立順序が異なる
- 工場ごとに代替部品や供給方法が異なる
このような場合、1つのE-BOMをもとに複数の工場別M-BOMを管理する必要が生じます。
4.部品番号・品目マスタの扱いが異なる
設計部門と製造・購買部門で、同じ部品に対して異なる番号や属性を利用している企業もあります。
- 設計品番と購買品番が異なる
- 設計上の部品とERP上の品目の粒度が異なる
- 図面番号と製造品番を別々に管理している
- 代替部品の扱いが部門によって異なる
この状態でBOMだけを機械的に連携すると、同じ部品の重複登録や紐付け間違いにつながる可能性があります。BOM連携を検討する際は、品目マスタや部品番号の対応関係も整理する必要があります。
5.設計変更と製造への適用タイミングが異なる
設計部門では、設計変更が承認された段階でE-BOMを更新できます。しかし、製造現場では、その瞬間にすべての製品や工場を新しい構成へ切り替えられるとは限りません。
- 既存在庫を使い切ってから切り替える
- 発注済みの旧部品が残っている
- 特定の製造番号以降から適用する
- 工場ごとに切り替え時期が異なる
- 仕掛品には旧部品を使用する
- 作業指示や工程情報の改訂後に切り替える
そのため、設計変更を製造へ反映するときは、「何が変わったか」だけでなく、「いつ、どの製品・工場・製造番号から適用するか」まで考える必要があります。
製品バリエーションが多い場合
E-BOM・M-BOMに加えて、150% BOM、構成ルール、オプション、適用条件などを整理する必要がある場合があります。
E-BOMからM-BOMへどう展開するのか
E-BOMからM-BOMへの展開は、単純なデータコピーではありません。「設計上の製品構成を、実際に製造できる構成へ変換する業務」と考える必要があります。
Step 1.承認されたE-BOMを起点にする
まず、M-BOMへ展開する元となるE-BOMを明確にします。
- 正式に承認されたE-BOMか
- 最新の改訂版か
- 部品番号・数量が確定しているか
- 関連する図面・CADデータが揃っているか
- 設計変更が反映されているか
- 未承認情報や参考情報が混在していないか
どの状態のE-BOMを製造側へ渡すのかが曖昧だと、設計途中の情報が製造へ流れる原因になります。
Step 2.製造条件・工程情報を整理する
次に、製造側で必要となる条件を整理します。
- 製造拠点・工場
- 製造工程
- 作業場・ライン
- 組立順序
- 中間品
- 購入品・支給品
- 使用設備
- 工場固有の部品や数量
この情報をもとに、設計上の構成を製造現場で利用できる構成へ変えていきます。
Step 3.製造可能な構成へ再編成する
E-BOMの階層をそのまま維持するのではなく、製造上必要となるサブアセンブリ、工程、中間品などを考慮してM-BOMへ再編成します。
設計上は複数の部品で構成されるユニットを購入品としてまとめたり、反対に設計上は1つのサブアセンブリを複数の製造工程へ分割したりすることもあります。
Step 4.E-BOMとM-BOMの対応関係を保持する
構成が異なっていても、E-BOMのどの部品・サブアセンブリが、M-BOMのどの構成に対応するのかを追跡できることが重要です。
E-BOM 部品A ↓ M-BOM 工程1で使用 E-BOM サブアセンブリB ↓ M-BOMでは中間品B-1、B-2へ分割 E-BOM 部品C・D・E ↓ M-BOMでは購入ユニットとして管理
この対応関係を維持しておくことで、設計変更が発生した際に、どの製造構成へ影響するのかを確認しやすくなります。
Step 5.M-BOMとBOPを関連づける
M-BOMは「製品を作るために何が必要か」を表しますが、実際の製造では「どの工程で、どの順番で、どのように作るか」という情報も必要になります。
この製造プロセスを表す情報の一つがBOP(Bill of Process)です。
BOPでは、例えば次のような情報を扱います。
- 作業工程
- 作業順序
- 各工程で使用する部品・中間品
- 使用設備
- 必要工具
- 作業時間
- 品質確認項目
- 作業指示
M-BOMとBOPを関連づけることで、「どの部品を使うか」という製品構成と、「どの工程でその部品を使用するか」という製造プロセスをつなげて管理できます。
E-BOM 設計上の製品構成 ↓ M-BOM 製造上の製品構成 ↓ BOP 工程・作業・組立順序 ↓ 製造実行
M-BOMを作った後、ERPとはどう連携するのか
ここで疑問になるのが、「PLMでM-BOMを作るのであれば、ERPで管理する製造BOMは何なのか」という点です。
製造業では、PLM上のM-BOMとERP上の製造BOM・生産BOMが、それぞれ異なる役割を持ちながら利用される場合があります。
PLMのM-BOMとERPの製造BOMは利用目的が異なる
PLMでは、E-BOMを製造可能な構成へ展開し、設計と製造の構成の対応関係、変更、承認などを管理します。
一方、ERPでは、承認された製造BOMを、生産計画や所要量計算(MRP)、購買、在庫、原価などの業務に利用します。
| PLMで扱う主な内容 | ERPで扱う主な内容 |
|---|---|
| E-BOMとM-BOMの対応 | 製造BOM・生産BOM |
| 製造構成への再編成 | 生産計画 |
| 設計変更の影響確認 | 所要量計算(MRP) |
| BOMの変更・承認 | 購買・発注 |
| BOP・工程との関連 | 在庫管理 |
| 工場別M-BOM | 原価・生産管理 |
例えば、次のような情報の流れが考えられます。
設計 ↓ E-BOM ↓ PLM ├─ E-BOM ├─ M-BOM ├─ BOP ├─ 設計変更 └─ 確認・承認 ↓ ERP ├─ 製造BOM ├─ 生産計画 ├─ 所要量計算(MRP) ├─ 購買 ├─ 在庫 └─ 原価 ↓ MES ├─ 作業指示 ├─ 製造実行 └─ 製造実績
つまり、「M-BOMをPLMで管理するのか、ERPで管理するのか」という二者択一で考えるとは限りません。
PLMでは「設計情報をどのように製造可能な構成・工程へつなげるか」を管理し、ERPでは「その製造情報を使って、何を、いつ、どれだけ調達・生産するか」を管理するという役割分担が考えられます。
実際の役割分担は企業の業務プロセスや既存システムによって異なるため、どこでM-BOMを作成・変更・承認し、どの状態の情報をERPへ引き渡すのかを明確にすることが重要です。
設計変更時にはPLMとERPのBOM連携が重要になる
E-BOM、M-BOM、BOP、ERPの製造BOMを複数のシステムで扱う場合、特に注意が必要になるのが設計変更です。
設計変更がPLM内だけで完了し、ERP側の製造BOMへ正しく反映されなければ、設計と実際の生産で使用する情報に不整合が生じる可能性があります。
PLMだけ変更され、ERPの製造BOMが古いままだとどうなるか
例えば、設計変更によって部品Aを部品A’へ変更したとします。
E-BOM 部品A → 部品A' ↓ PLM M-BOMもA → A'へ変更 ↓ 変更がERPへ反映されない ↓ ERP 製造BOMは部品Aのまま ↓ MRP 旧部品Aを必要部品として計算
この状態では、設計上は新しい部品へ変更されているにもかかわらず、ERPでは旧部品をもとに所要量計算や購買を行う可能性があります。
つまり、E-BOMとM-BOMを同期するだけでなく、承認された製造構成をERP側の製造BOMへ適切に反映する仕組みも必要になります。
設計変更をそのまま即時反映すればよいわけではない
一方で、設計変更が承認されたからといって、ERPの製造BOMを即座に新しい構成へ切り替えればよいとは限りません。
製造側には、設計だけでは判断できない次のような条件があります。
- 旧部品の在庫が残っている
- すでに部品を発注している
- 製造途中の仕掛品がある
- 特定の製造番号から変更したい
- 工場ごとに切替時期が異なる
- 工程や作業指示も変更する必要がある
そのため、設計変更から製造への反映は、次のような流れで考える必要があります。
設計変更を承認 ↓ E-BOMを変更 ↓ 影響するM-BOMを確認 ↓ 製造構成を変更 ↓ BOP・工程への影響を確認 ↓ 適用条件を決定 ├─ 工場A:9月1日から ├─ 工場B:旧在庫消化後 └─ 製造番号10001以降 ↓ ERPの製造BOMへ反映 ↓ MRP・購買・生産計画へ反映 ↓ 必要に応じてMES・作業指示へ反映
BOMだけでなく「変更」と「適用条件」をつなぐ
E-BOMとM-BOMの連携では、部品番号や数量をシステム間で転送するだけでは不十分です。
どの変更がどのM-BOMや工程へ影響するのか、どの工場・製品・製造番号から新しい構成を適用するのか、ERPやMESへいつ反映するのかまで含めて変更プロセスを設計する必要があります。
つまり重要なのは、BOMデータをつなぐことだけではなく、設計変更から製造への変更の流れをつなぐことです。
設計変更が製造・調達までうまく伝わらない場合
BOMそのものだけでなく、現在の変更承認、ERP連携、工場別の適用方法まで整理することで、どこに情報の分断があるのかを確認できます。
PLM・ERP・MESの役割をどう分けるか
E-BOM・M-BOM連携では、「どのシステムがBOMを持つか」だけでなく、「どのシステムで何を判断し、どこまで責任を持つか」を整理することが重要です。
| システム | 主な役割 | BOM・製造情報との関係 |
|---|---|---|
| CAD | 設計モデル・図面の作成 | E-BOMの元となる設計情報を作成 |
| PLM | 製品情報・BOM・変更・承認の管理 | E-BOM、M-BOM、BOPなどを関連づけ、設計と製造をつなぐ |
| ERP | 生産・購買・在庫・原価の管理 | 製造BOMを利用し、生産計画やMRP、購買などを行う |
| MES | 製造現場の実行・実績管理 | 製造工程、作業指示などを利用して製造を実行する |
重要なのは、「M-BOMはPLMかERPのどちらに置くべきか」という二者択一で考えることではありません。
例えば、PLM上でE-BOMからM-BOMを作成し、BOPと関連づけて製造準備を進め、承認された製造情報をERPへ引き渡す構成も考えられます。ERPではその情報を生産計画やMRP、購買、在庫などに利用し、さらに必要な情報をMESへ展開します。
企業ごとに業務や既存システムは異なるため、次のような責任分担を明確にすることが重要です。
- E-BOMをどこで作成・承認するか
- M-BOMをどこで作成・変更・承認するか
- BOPや工程情報をどこで管理するか
- どの状態の製造BOMをERPへ渡すか
- 設計変更をどこから通知するか
- 製造側で発生した変更をどこへ戻すか
- 工場別の構成や適用条件をどこで管理するか
- MESへどの工程・作業情報を渡すか
E-BOM・M-BOM連携を設計するときの確認ポイント
1.BOMの責任範囲を決める
まず、誰がどのBOMに責任を持つのかを整理します。
- E-BOMを作成・承認する部門
- M-BOMを作成・承認する部門
- 製造工程・BOPを管理する部門
- 部品番号・品目マスタを管理する部門
- 工場固有の構成を管理する部門
システムを導入しても、責任分担が曖昧なままではBOMの整合性を維持することは難しくなります。
2.システム間の責任範囲を決める
PLM、ERP、MESそれぞれで何を管理するのかを整理します。
- どのシステムで製品構成を作るか
- どのシステムで変更を承認するか
- どのステータスで次のシステムへ連携するか
- どのシステムを参照すれば最新状態を確認できるか
- 連携後に変更が発生した場合の戻し方をどうするか
3.変更と適用条件を決める
設計変更では、変更内容だけでなく適用条件が重要になります。
- 適用開始日
- 対象工場
- 対象製品・製造番号
- 旧部品在庫の扱い
- 仕掛品の扱い
- 発注済み部品の扱い
- 工程・作業指示への影響
4.品目・構成の対応関係を整理する
E-BOMとM-BOM、PLMとERPで品目の粒度や番号体系が異なる場合は、対応関係を明確にします。
- 設計品番とERP品目
- 購入品・製作品の区分
- 代替部品
- 中間品
- 工場別部品
- 数量・単位
- 版数・改訂
- 製品バリエーション
E-BOM・M-BOM連携にPLMを活用するメリット
E-BOMとM-BOMの対応関係を維持しやすい
設計用と製造用で階層が異なっていても、両者の関係を管理することで、どの設計部品がどの製造構成に使われているのかを追跡しやすくなります。
設計変更の影響範囲を確認しやすい
E-BOM、M-BOM、BOPなどを関連づけることで、設計変更がどの製造構成や工程へ影響するのかを確認しやすくなります。
製品構成と製造プロセスをつなげやすい
M-BOMとBOPを関連づけることで、部品構成だけでなく、「その部品をどの工程で使用するのか」という製造プロセスまでつなげて考えられます。
ERPへの引き渡しルールを標準化しやすい
どの状態まで承認されたBOMをERPへ渡すのか、どの属性や変更情報を連携するのかを決めることで、設計から生産管理への情報の受け渡しを整理しやすくなります。
工場別M-BOMを管理しやすい
1つのE-BOMから、工場、ライン、製造方式などに応じた複数のM-BOMを管理する場合にも、共通部分と工場固有部分の関係を整理しやすくなります。
設計・製造・サービスまで情報をつなげやすい
E-BOMとM-BOMだけでなく、製造工程、サービス向けBOM、スペアパーツ、変更履歴などを関連づけることで、製品ライフサイクル全体の情報をつなぐ基盤を構築しやすくなります。
CONTACT SoftwareでE-BOM・M-BOM・BOPをつなぐ
GBSが導入支援するCONTACT Softwareでは、設計から製造への情報連携を、単なるBOMデータの受け渡しではなく、製品構成、変更、製造準備をつなぐ仕組みとして検討できます。
E-BOMとM-BOMの構成を比較・同期する
CONTACT SoftwareのxBOMでは、設計側のE-BOMと製造側のM-BOMを比較し、構成や数量の差異を確認しながら製造BOMへ展開する考え方があります。
設計変更が発生した場合も、E-BOMの変更内容をM-BOMへ反映し、工場別・製造条件別の構成を考慮しながら製造準備へつなげることができます。
M-BOMとBOP・製造工程を関連づける
CONTACT Softwareでは、M-BOMだけでなく、製造工程や作業計画を製品情報と関連づけることができます。
これにより、「どの部品を使用するか」というM-BOMと、「どの工程で、どの順番で、その部品を使用するか」という製造プロセスをつなげて管理できます。
E-BOM 設計構成 ↓ xBOM ↓ M-BOM 製造構成 ↓ Work Plan / BOP 工程・作業計画 ↓ ERP・MES 生産管理・製造実行
設計変更を製造構成・工程へつなげる
設計変更によって部品や構成が変わった場合、その影響はM-BOMだけにとどまらず、製造工程や作業計画にも及ぶ可能性があります。
E-BOM、M-BOM、製造工程を関連づけておくことで、変更の影響を確認しながら製造準備を進め、必要な情報をERPやMESへ引き渡す運用を検討できます。
導入前には業務とシステムの役割整理が必要
ただし、CONTACT Softwareを導入すれば自動的にE-BOM・M-BOM・BOP・ERPが最適につながるわけではありません。
導入前には、次のような項目を整理する必要があります。
- E-BOMとM-BOMの管理責任
- 設計から製造への承認プロセス
- M-BOMとBOPの管理方法
- PLMとERPの役割分担
- ERPへ引き渡すBOM・工程情報
- 工場別M-BOMの扱い
- 設計変更の適用条件
- 部品番号・品目マスタの関係
- 既存CAD・ERP・MESとの連携範囲
GBSでは、CONTACT Softwareの製品機能だけを起点にするのではなく、現在のBOM構造、製造工程、設計変更、既存システム、部門間の役割分担を整理したうえで、どこまでPLMで管理し、どの情報をERP・MESへつなぐのかを検討します。
BOM管理・設計から製造への連携を具体的に検討している方へ
CIM Databaseでは、BOM管理、変更管理、製品構成、設計から製造への情報連携を含めたPLM基盤を検討できます。
よくある質問
PLMのM-BOMとERPの製造BOMはどう使い分けますか?
PLMでは、E-BOMから製造可能な構成へ展開し、E-BOMとM-BOMの対応関係、設計変更による影響、承認などを管理します。一方、ERPでは、承認された製造BOMを生産計画、所要量計算(MRP)、購買、在庫、原価などに利用する役割があります。
そのため、PLMとERPのどちらか一方だけでM-BOMを管理すると考えるとは限りません。どこで製造構成を作成・変更・承認し、どの段階の情報をERPへ引き渡すかを、業務プロセスと既存システムに合わせて整理することが重要です。
設計変更はERPの製造BOMへどのタイミングで反映しますか?
設計変更が承認されたからといって、必ずしもERPの製造BOMを即時に切り替えるわけではありません。旧部品の在庫、発注済み部品、仕掛品、製造番号、工場ごとの切替時期などを確認したうえで、製造への適用条件を決めます。
そのため、設計変更の内容だけでなく、どの工場・製品・製造番号から適用するのかを管理し、適切なタイミングでERPやMESへ反映する仕組みが重要になります。
工場ごとにM-BOMや変更時期が異なる場合はどう管理しますか?
共通する製品構造と、工場固有の製造構成・工程・適用条件を分けて管理する方法があります。共通のE-BOMをもとに、工場ごとの設備、材料、組立単位、調達条件などを反映したM-BOMを管理します。
設計変更時には、すべての工場を同時に変更するのではなく、工場ごとの在庫や生産状況に応じて適用条件を設定する場合があります。
E-BOM・M-BOMとBOPはどのような関係ですか?
E-BOMは設計上の製品構成、M-BOMは製造上の製品構成を表します。一方、BOPは、どの工程で、どの順番で、どの部品を使って作業するかという製造プロセスを表します。
M-BOMとBOPを関連づけることで、製品を構成する部品と、実際の製造工程・作業との関係を管理しやすくなります。
ExcelでE-BOM・M-BOMと設計変更を管理できますか?
単純なBOMであればExcelで管理できる場合もあります。一方、E-BOMとM-BOMの構成差異、設計変更、対応関係、工場別構成、適用条件、BOP、ERPへの連携まで管理すると、ファイル間の整合性維持や変更追跡が複雑になる可能性があります。
PLM導入を検討する前に、現在のBOM、部品マスタ、図面、変更履歴、工程情報、ERPとの受け渡し方法を整理し、どこに管理上の負荷や情報の分断があるのかを確認することが重要です。
CONTACT SoftwareではE-BOM・M-BOM・BOPをどのように連携できますか?
CONTACT Softwareでは、E-BOMとM-BOMの比較・同期、製造構成と工程・作業計画の関連づけ、設計変更の製造側への反映などを組み合わせて、設計から製造への情報連携を検討できます。
具体的な管理範囲やERP・MESとの連携方法は、現在のBOM構造、製造工程、工場、既存CAD・ERP・MES、変更管理の方法によって異なります。GBSでは、現在の業務とシステムを整理したうえで適用範囲を検討します。
まとめ:E-BOMとM-BOMは、構成だけでなく「変更」までつなぐ
E-BOMは設計上の製品構成を表すBOM、M-BOMは製造工程や組立方法を考慮した製造用のBOMです。
両者は同じ製品を対象にしていますが、目的、利用部門、構成、階層が異なるため、E-BOMをそのままM-BOMへコピーするだけでは、実際の製造に適したBOMにならない場合があります。
そのため、E-BOMを製造可能なM-BOMへ展開し、さらにBOPと関連づけて製造工程へつなげることが重要になります。
E-BOM 設計構成 ↓ M-BOM 製造構成 ↓ BOP 工程・作業 ↓ ERP 製造BOM・MRP・購買・在庫 ↓ MES 製造実行・実績
そして、より重要なのが設計変更です。
E-BOMだけを変更しても、M-BOM、BOP、ERPの製造BOM、MESの作業情報が古いままでは、設計と製造の情報に不整合が生じる可能性があります。
一方で、設計変更を無条件に製造へ即時反映すればよいわけでもありません。旧部品在庫、発注済み部品、仕掛品、工場、製造番号などの条件を考慮して、いつから新しい構成へ切り替えるかを判断する必要があります。
E-BOM・M-BOM連携で目指すべきなのは、すべてのBOMを同じ構造にすることではありません。それぞれの業務に適した構成を維持しながら、製品・部品・工程・変更・適用条件を追跡できる状態にすることです。
貴社の場合、PLM・ERP・MESをどこで分けるべきか一緒に整理しませんか?
E-BOM・M-BOM・BOPを、貴社の業務と既存システムに合わせて整理します
E-BOM、M-BOM、BOP、ERPの製造BOMをどうつなぐべきかは、企業ごとのBOM構造、設計変更プロセス、工場ごとの運用、既存ERP・MESによって異なります。
例えば、「M-BOMはPLMでどこまで管理するのか」「ERPへどの状態の製造BOMを渡すのか」「設計変更をどのタイミングで製造へ反映するのか」「BOPや作業情報をどこまでPLMで持つのか」といった判断は、一般論だけでは決められません。
GBSでは、特定製品の導入ありきではなく、現在の業務とシステムを確認しながら、設計から製造・生産管理までの情報の流れを整理し、PLM・ERP・MESの役割分担を検討します。
- E-BOMからM-BOMへの展開方法を整理したい
- M-BOMとBOP・製造工程の関係を整理したい
- PLMとERPの製造BOMの役割分担を決めたい
- 設計変更を製造・購買・生産計画まで正しく反映したい
- 工場ごとに異なるM-BOMや切替条件を整理したい
- 既存ERP・MESを活かしながらPLMを導入したい
- Excelや部門別管理になっているBOM運用を見直したい
- CONTACT Softwareが自社業務にどこまで適用できるか確認したい
まずは「どこをPLMで管理し、どこからERP・MESへ引き渡すべきか」を整理するところからご相談いただけます。
関連情報
CONTACT Software
CONTACT Softwareのプラットフォーム全体や、設計・製造・サービスまで製品情報をつなぐ考え方を確認できます。
150% BOMとは?バリエーション管理・100% BOMとの違いを解説
製品の仕様や構成が多様化すると、製品バリエーションごとに個別のBOMを作成・管理する方法では、設計変更や部品更新のたびに多くのBOMを確認する必要があり、管理が複雑になりやすくなります。
例えば、同じ製品シリーズに複数のモーター、電源、筐体、制御装置、付属機能がある場合、組み合わせごとにBOMを作成すると、製品バリエーションの増加にともなって管理するBOMも増えていきます。
150% BOMとは、製品ファミリーに含まれる共通部品、選択部品、代替部品、オプションなど、複数の製品バリエーションで使用する可能性のある構成要素をまとめて管理する「構成可能なBOM」です。
150% BOMに構成ルールや適用条件を組み合わせることで、顧客仕様や製造条件に応じて必要な部品を選び、特定製品の実構成となる100% BOMへ展開します。
本記事では、150% BOMの意味、100% BOMとの違い、バリエーション管理の仕組み、E-BOM・M-BOM・S-BOMとの関係、PLMで管理する際の注意点を解説します。
この記事のポイント
- 150% BOMは、複数の製品バリエーションで使用する可能性のある構成要素をまとめたBOMです。
- 「150%」は部品数量が1.5倍になるという意味ではありません。
- 構成ルールや適用条件を使い、150% BOMから特定仕様の100% BOMを導き出します。
- 150% BOMは、E-BOMやM-BOMとは異なる「製品バリエーション」という切り口の考え方です。
- 実務では、BOMだけでなく製品アーキテクチャ、構成ルール、変更管理、Effectivityまで整理することが重要です。
150% BOMとは
150% BOMとは、1つの製品シリーズや製品ファミリーに含まれる複数の製品バリエーションの部品・構成要素をまとめて管理する、構成可能なBOMです。
150%という数字は、部品数量が実際の完成品の1.5倍になるという意味ではありません。1つの完成品に必要な構成だけでなく、同じ製品ファミリーで選択される可能性のある構成候補やオプションまで含めた製品構成を表すために使われる呼び方です。
150% BOMには、例えば次のような情報を含めます。
- すべての製品バリエーションで共通する部品
- 特定の仕様でのみ使う部品
- 選択可能なオプション部品
- 代替関係にある部品
- 特定の地域・顧客・市場で使う部品
- 特定の期間や製品世代で適用される部品
- 選択肢同士の互換性や組み合わせ条件
つまり150% BOMは、単に「部品を多く含んだBOM」ではありません。どの部品が、どの条件で、どの製品構成に使われるのかをルールとともに管理することが重要です。
150% BOMを一言で表すと
製品ファミリー全体の「選択可能な構成」を持ち、条件を与えることで個別製品のBOMを導き出すためのBOMと考えると分かりやすいでしょう。
150% BOMと100% BOMの違い
150% BOMと100% BOMの大きな違いは、複数の選択肢を含んだ構成可能なBOMなのか、特定の製品仕様に確定したBOMなのかという点です。
| 比較項目 | 150% BOM | 100% BOM |
|---|---|---|
| 役割 | 製品ファミリー全体の構成候補を管理する | 特定製品の確定構成を管理する |
| 含まれる部品 | 共通部品、選択部品、代替部品、オプションなど | 特定仕様で実際に必要となる部品 |
| 構成 | 選択肢を含む | 構成が確定している |
| 主な利用場面 | 製品設計、製品ライン、バリエーション管理 | 製造、調達、個別受注、サービス |
| 条件 | オプション、互換性、適用条件などを保持する | 条件を適用した結果を表す |
| BOMの性格 | 構成可能な上位構造 | 特定仕様の実構成 |
150% BOMから100% BOMを作る例
例えば、ある製品シリーズに次の選択肢があるとします。
- モーター:AまたはB
- 電源:100Vまたは200V
- 操作パネル:標準または高機能
- 通信機能:ありまたはなし
150% BOMには、モーターA・B、100V・200Vの電源、標準・高機能パネル、通信機能に必要な部品など、製品シリーズで利用する可能性のある構成候補を登録します。
そこに「モーターB」「200V」「高機能パネル」「通信機能あり」という条件を適用すると、その仕様に必要な部品だけで構成された100% BOMを導き出すことができます。
150% BOM → 100% BOMの基本的な流れ
製品ファミリーの150% BOM → フィーチャー・オプションの選択 → 構成ルール・適用条件の判定 → 特定仕様の100% BOM
ただし、150% BOMから正しい100% BOMを作るには、単に部品候補を登録するだけでは不十分です。どの部品が必須なのか、どの部品を同時に選べるのか、どの条件で部品を切り替えるのかといった構成ルールが必要になります。
150% BOMが必要になる背景
製品バリエーションが増えるとBOMも増えやすい
製品バリエーションが少ない場合は、製品や仕様ごとに個別BOMを作成しても大きな問題にならない場合があります。
しかし、性能、サイズ、地域、顧客仕様、オプションなどの選択肢が増えると、組み合わせの数は急速に増加します。
例えば、5つの仕様項目にそれぞれ2つの選択肢がある場合、理論上は最大32通りの組み合わせが考えられます。さらに選択項目や選択肢が増えれば、個別に管理するBOMの数も増えていきます。
個別BOMでは変更反映が複雑になりやすい
製品バリエーションごとにBOMを複製して管理すると、同じ共通部品が複数のBOMに含まれることになります。
共通部品を変更した場合、関連するBOMをそれぞれ確認しなければならず、次のような課題が起こりやすくなります。
- 一部のBOMだけが更新される
- 旧部品と新部品が混在する
- どの製品へ変更を適用すべきか判断しにくい
- 製品バリエーション間で仕様が不整合になる
- 設計変更の影響確認に時間がかかる
- 似たBOMが増え、どれが正しい構成か分かりにくくなる
多品種少量生産や個別受注への対応
個別受注や受注生産では、顧客ごとに仕様や構成が変わることがあります。
ATO(Assemble to Order)のように、あらかじめ定義した選択肢から製品を構成する場合は、150% BOMと構成ルールの考え方を活用しやすくなります。
一方、ETO(Engineer to Order)のように顧客固有の設計を伴う場合も、「どこまでを標準構成として再利用し、どこからを個別設計とするのか」を整理するために、製品ファミリーや構成ルールを明確にしておくことが重要です。
150% BOMの仕組み
1. 製品ファミリーと製品アーキテクチャを定義する
150% BOMを作成する前に、どの製品を同じ製品ファミリーとして管理するかを整理します。
例えば、次のような単位が考えられます。
- 同じ基本構造を持つ製品シリーズ
- 共通プラットフォームを利用する製品群
- サイズや出力によって仕様が異なる製品群
- 市場・地域によって構成が異なる製品群
- 標準機と個別仕様機を含む製品群
そのうえで、製品をどのモジュールやサブシステムに分けるかを整理します。動力系、制御系、電源系、筐体系、通信系、安全・保護系など、製品の構造を機能や役割ごとに整理することで、共通部分と可変部分を把握しやすくなります。
2. 共通部品・選択部品・代替部品を整理する
次に、製品ファミリーに含まれる部品やアセンブリを整理します。
- すべての仕様で必要となる共通部品
- 特定のオプションを選んだ場合に必要となる部品
- 相互に選択する代替部品
- 特定の市場や地域でのみ使う部品
- 特定の期間や製品世代で適用する部品
- 顧客仕様に応じて追加する部品
150% BOMでは、部品が存在することだけではなく、「いつ」「どの条件で」「どの製品に」使用するのかを関連付ける必要があります。
3. フィーチャー・オプション・構成ルールを設定する
150% BOMでは、製品の仕様とBOMをつなぐために、フィーチャー、オプション、構成ルールなどを利用します。
フィーチャーは、製品が持つ機能や仕様を表します。
- 高出力
- 防水
- 無線通信
- 高温対応
- 特定電圧対応
オプションは、そのフィーチャーについて選択できる具体的な選択肢です。
- 100V / 200V
- 標準モーター / 高出力モーター
- 通信機能なし / Ethernet / 無線
- 標準筐体 / 防水筐体
構成ルールでは、オプション同士の関係や、選択した仕様に応じて必要となる部品を定義します。
- 200Vを選択した場合、100V用電源は選択できない
- 無線通信を選択した場合、専用アンテナが必要になる
- 防水筐体を選択した場合、標準ファンは使用しない
- 高出力モーターを選択した場合、対応する制御装置を選択する
- 特定地域向けの場合、対象となる仕様・部品を適用する
このように、150% BOMはBOM構造と構成ルールを組み合わせて管理することで初めて、実際の製品バリエーション管理に利用できます。
4. 受注・設計条件を入力する
顧客仕様や製造条件に応じて、必要なフィーチャーやオプションを選択します。
- 顧客仕様
- 製品タイプ
- 出力・容量
- 使用地域
- 電源仕様
- 追加機能
- 製造拠点
- 製品世代
- 適用期間
部品を一つずつ手作業で選択するのではなく、あらかじめ定義した構成ルールによって選択可能な範囲を絞り込むことがポイントです。
5. 100% BOMとなる実構成BOMを生成する
入力した条件と構成ルールをもとに、150% BOMから特定仕様の実構成BOMを作成します。
生成したBOMは、設計だけでなく、製造、調達、見積もり、サービスなど、後続業務の基礎情報になります。
その際には、単にBOMを生成できればよいわけではありません。
- 必要な部品が不足していないか
- 互換性のない部品が含まれていないか
- 構成が設計上成立しているか
- 製造できる構成になっているか
- 関連する図面や仕様書がそろっているか
- 対象となる製造拠点で利用できるか
- 適用期間や製品世代が正しいか
といった確認も必要です。
6. Effectivity(有効性)を管理する
Effectivityとは、部品や製品構成がどの条件、期間、製品範囲で有効なのかを管理する考え方です。
例えば、次のような条件が考えられます。
- 製品番号・型式
- 製品世代
- シリアル番号
- 製造拠点
- 地域・市場
- 適用開始日・終了日
- 規制・認証条件
- 顧客・案件
- ソフトウェアバージョン
同じ部品でも、製品世代や製造拠点、時期によって適用可否が変わることがあります。そのため、150% BOMを実務で利用する場合は、構成ルールだけでなく「いつ、どこで、何に有効なのか」まで管理することが重要です。
なお、Effectivityの名称や具体的な管理方法はPLM製品や運用によって異なります。システム機能から考えるのではなく、まず自社で管理すべき適用条件を整理することが重要です。
150% BOMとE-BOM・M-BOM・S-BOMの関係
150% BOMは、E-BOMやM-BOM、S-BOMとは異なる切り口の概念です。
| BOM | 主な目的 |
|---|---|
| E-BOM | 設計の視点から製品構成を管理する |
| M-BOM | 製造・組立の視点から製品構成を管理する |
| S-BOM | サービス・保守の視点から製品構成を管理する |
| 150% BOM | 複数の製品バリエーションを含む構成可能な製品構造を管理する |
したがって、150% BOMは「E-BOMの別名」ではありません。
設計段階で複数の製品バリエーションを含む150% E-BOMを管理し、構成ルールによって特定仕様の100% E-BOMを作成したうえで、製造条件を加えてM-BOMへ展開する、といった考え方ができます。
150% BOMと各BOMの関係イメージ
製品ファミリーの150% BOM → 構成ルール・適用条件 → 100% E-BOM → 製造条件を反映したM-BOM → 保守条件を反映したS-BOM
E-BOM、M-BOM、S-BOMは利用部門や業務目的によって構造が異なるため、150% BOMから作成した設計構成をそのまますべての部門で利用できるとは限りません。どの情報をどのBOMで正本とし、どのようにつなぐかを設計する必要があります。
PLMとBOM管理の全体像を確認したい方へ
150% BOMだけでなく、E-BOM・M-BOM・S-BOM、設計変更、CAD・ERPとの役割分担まで含めて確認したい場合は、PLMの基本解説もあわせてご覧ください。
個別BOM方式と150% BOM方式の違い
| 項目 | 個別BOM方式 | 150% BOM方式 |
|---|---|---|
| 管理単位 | 製品・仕様ごと | 製品ファミリー・製品プラットフォーム |
| バリエーション追加 | 新しいBOMを作成する | 選択肢や構成ルールを追加する |
| 共通部品の変更 | 複数BOMへの反映確認が必要 | 共通構造として整理しやすい |
| 初期設計 | 比較的分かりやすい | 製品構成・ルール設計が必要 |
| 製品数増加時 | 管理対象が増えやすい | ルール管理の重要性が高まる |
| 構成の自由度 | 製品ごとに個別調整しやすい | ルールに基づく標準化を進めやすい |
| 向いているケース | バリエーションが少ない製品 | 共通基盤を持つ多品種製品 |
150% BOMは、個別BOMを完全になくすための仕組みではありません。
実際の製造やサービスでは、特定仕様に確定したBOMや、工場、顧客、シリアル番号などに応じた実構成が必要になります。
製品ファミリーに共通する製品知識と構成ルールを150% BOMで管理し、必要な場面で100%の実構成へ展開するという役割分担が重要です。
150% BOMのメリット
製品バリエーションを追加しやすくなる
新しい仕様を追加するたびに完成したBOMを最初から作成するのではなく、既存の製品構造にオプションや構成ルールを追加することで、新しいバリエーションへ対応しやすくなります。
共通部品・モジュールを把握しやすくなる
複数の製品バリエーションで使用する部品を同じ製品ファミリーの中で整理することで、共通部品やモジュールを把握しやすくなります。
その結果、部品の標準化や再利用を検討するための基盤を整えやすくなります。
設計変更の影響範囲を確認しやすくなる
共通部品や選択部品がどの製品構成と関係しているかを整理することで、部品変更がどの製品バリエーションへ影響する可能性があるのかを確認しやすくなります。
ただし、変更影響を正しく把握するには、BOMだけでなく、版、変更情報、構成ルール、適用条件なども関連付けて管理することが重要です。
製造できない組み合わせを排除しやすくなる
構成ルールを設定することで、設計上成立しない組み合わせや、同時に選択できないオプションを事前に判定する仕組みを検討できます。
- 対応していない電源とモーターの組み合わせ
- 特定筐体には取り付けられない部品
- 同時に使用できないオプション
- 特定地域では適用できない仕様
- 特定製品世代には利用できない部品
E-BOM・M-BOM・S-BOM連携を考える基盤になる
設計段階の製品バリエーションだけでなく、製造拠点ごとの構成やサービス用の構成まで関連付けて考えることで、製品ライフサイクル全体のBOM管理へ発展させることができます。
150% BOM導入時の注意点
150% BOMを作ること自体を目的にしない
150% BOMは製品バリエーション管理を改善するための手段です。まず、何を改善したいのかを明確にする必要があります。
- 個別BOMの重複管理を減らしたい
- 新しい製品バリエーションを追加しやすくしたい
- 共通部品やモジュールを標準化したい
- 設計変更の影響範囲を把握したい
- 受注仕様から製造用のBOMを作成したい
- E-BOMとM-BOMの連携を改善したい
- サービス・保守情報までつなげたい
目的によって必要となる製品構造、構成ルール、管理属性、連携するシステムは異なります。
製品アーキテクチャを先に整理する
製品のモジュール構成や共通部分、可変部分が整理されていない状態で150% BOMを作ると、一つのBOMに多数の部品や条件が集まり、かえって複雑になる可能性があります。
少なくとも、次の点を整理しておくことが重要です。
- 共通部品と可変部品
- モジュールの境界
- モジュール間のインターフェース
- 選択可能なオプション
- 代替部品の関係
- 選択できない組み合わせ
- 製造・調達・サービスへの影響
構成ルールの管理責任を決める
構成ルールは設計部門だけの情報とは限りません。製造、調達、品質、営業、サービスなど複数部門の条件が関係することがあります。
「誰がルールを定義するのか」「誰が承認するのか」「変更時にどの部門へ確認するのか」を決めておかなければ、システム上の構成ルールと実際の業務がずれていく可能性があります。
すべての組み合わせが製造可能とは限らない
150% BOMに含まれている部品だからといって、自由に組み合わせられるわけではありません。
- 機械的・電気的な互換性
- ソフトウェアとの整合性
- 製造可能性
- 調達可能性
- 規制・認証への適合
- 生産拠点ごとの条件
- サービス・保守への影響
- 適用期間・製品世代
などを確認し、構成結果が実際に成立するかを検証できる仕組みが必要です。
150% BOMと実構成BOMの役割を分ける
製品ファミリーを管理する150% BOMとは別に、実務では次のような構成が必要になる場合があります。
- 特定仕様に確定した100% E-BOM
- 製造拠点ごとのM-BOM
- 顧客・注文ごとの製品構成
- 実際に製造されたAs-Built構成
- 保守後の状態を表すAs-Maintained構成
どのBOMをどの部門が管理し、どの情報を正本とするのかを整理することが重要です。
Excelから移行する場合はデータ品質を確認する
現在ExcelなどでBOMを管理している場合は、150% BOMへ移行する前に既存データを確認する必要があります。
- 重複部品
- 廃止部品
- 部品番号の表記揺れ
- BOM階層の不整合
- 数量の誤り
- 図面・仕様書との未連携
- 版数・改訂履歴の不足
- オプション・適用条件の未整理
150% BOMをシステム上に作成しても、元となるデータやルールが不整合なままでは、正しい製品構成を導き出すことは難しくなります。
150% BOMの適用範囲から整理したい方へ
GBSでは、150% BOMの導入ありきではなく、現在のBOM、製品バリエーション、設計変更、CAD・ERPとの役割分担を確認しながら、どこから製品構成管理を見直すべきか整理します。
CONTACT Softwareで150% BOMを管理する方法
製品構造とバリエーションをPLM上で管理する
CONTACT Softwareでは、製品構造とBOMを管理する機能の中で、150% BOMを活用した製品バリエーション管理の考え方が提供されています。
製品バリエーションごとに個別のBOMを作り続けるのではなく、製品ファミリーで利用する構成要素をまとめ、オプションや構成ルールを利用して個別の製品構成へ展開します。
GBSが導入支援するCIM Databaseでは、150% BOMを含む製品構成管理に加え、BOM、図面、文書、設計変更などの製品情報を関連付けて管理し、設計から製造・サービスまで情報をつなぐPLM基盤として活用できます。
150% BOMだけでなく後工程とのつながりを考える
製品構成管理では、150% BOMを作成して終わりではありません。
構成したE-BOMを製造側へどのように展開するか、設計変更をM-BOMへどのように反映するか、ERPへどの段階でBOMを渡すかなど、後工程との情報連携まで含めて設計する必要があります。
CIM Databaseでは、製品構造の比較や製品バリエーション管理だけでなく、E-BOMとM-BOMを含む複数の製品構造をつなぐ仕組みも活用できます。
CONTACT Software導入前に整理したいこと
- 現在、製品バリエーションをどの単位で管理しているか
- 製品・仕様ごとの個別BOMがどの程度存在するか
- 共通部品と選択部品を識別できるか
- オプション間の互換性や制約条件が定義されているか
- 構成ルールを誰が管理するか
- E-BOMとM-BOMの変更責任がどの部門にあるか
- 工場ごとにM-BOMが異なるか
- ERPへどの情報を連携するか
- CADとBOMをどのように連携しているか
- サービス・保守用の製品構成を管理する必要があるか
GBSでは、CONTACT Softwareの製品機能だけを起点にするのではなく、現在の業務、BOM、製品情報、既存システムを確認したうえで、150% BOMを含む製品構成管理の適用範囲をご相談いただけます。
CIM DatabaseでのBOM管理を詳しく見る
CIM Databaseでは、150% BOMによるバリエーション管理に加え、BOM、設計変更、図面・文書、E-BOM・M-BOM連携などを一つの製品情報基盤として整理できます。
150% BOMに関するよくある質問
150% BOMは「部品が150%ある」という意味ですか?
いいえ。150%という名称は、実際の完成品より部品数量が1.5倍になるという意味ではありません。複数の製品バリエーションで使用する可能性のある共通部品、選択部品、代替部品、オプションなどを、一つの構成可能なBOMとして管理する考え方を表します。
150% BOMと100% BOMはどう違いますか?
150% BOMは、製品ファミリー全体の構成候補やオプションを含む構成可能なBOMです。100% BOMは、顧客仕様や製造条件などを適用した結果として確定した、一つの具体的な製品構成を表します。
150% BOMとスーパーBOMは同じですか?
スーパーBOM、マスターBOM、Configurable BOMなどの名称が、複数の製品バリエーションの構成要素をまとめて管理する近い考え方として使われることがあります。ただし、用語の範囲や機能はシステムによって異なるため、名称だけでなく、構成ルール、個別BOM生成、Effectivity、変更管理などの管理範囲を確認することが重要です。
150% BOMとバリエーション管理は何が違いますか?
150% BOMは、複数の製品バリエーションを含む製品構成を管理するためのBOMの考え方です。バリエーション管理は、製品の機能、オプション、構成ルール、製品アーキテクチャ、適用条件、ライフサイクルなどを含めて製品の多様性を管理する、より広い考え方です。150% BOMは、バリエーション管理を実現するための重要な構造の一つと考えられます。
150% BOMはE-BOMですか?
必ずしもそうではありません。E-BOMは設計目的で見たBOMを指し、150% BOMは複数の製品バリエーションを含む構成可能なBOMを指します。設計段階で150% E-BOMとして管理することはできますが、150% BOMとE-BOMは異なる切り口の概念です。
150% BOMはM-BOMにも利用できますか?
製造側でもバリエーションを持つ構成を管理する考え方は利用できます。ただし、E-BOMとM-BOMでは目的や構造が異なります。M-BOMでは、製造工程、組立単位、工場ごとの違い、製造上必要な部品などを考慮する必要があるため、150% E-BOMをそのままM-BOMとして利用できるとは限りません。
Effectivityとは何ですか?
Effectivityは、部品や製品構成が、どの製品、期間、製造拠点、地域、シリアル番号などに適用されるかを管理する考え方です。150% BOMに含まれるすべての部品が常に有効とは限らないため、製品世代や適用期間などの条件を管理することが重要です。
150% BOMはどのような企業に向いていますか?
製品バリエーションが多い企業、共通プラットフォームから複数製品を展開している企業、個別受注や受注生産を行っている企業、製品ごとに似たBOMを多数管理している企業などでは検討する価値があります。一方、製品構成がほぼ固定され、バリエーションも少ない場合は、150% BOMが必ずしも適切とは限りません。
Excelで150% BOMを管理できますか?
構成候補や簡単な選択条件であればExcelで整理できる場合もあります。一方、部品間の互換性、構成ルール、変更履歴、承認、Effectivity、E-BOM・M-BOM連携などまで継続的に管理する場合は、ファイルの重複や更新漏れが起こりやすくなります。現在のデータや運用を確認し、PLMで管理すべき範囲を検討することが重要です。
CONTACT Softwareで150% BOMを管理できますか?
CONTACT Softwareでは、150% BOMを活用した製品バリエーション管理の考え方が提供されています。GBSが導入支援するCIM Databaseでは、BOMや製品構造に加え、図面、文書、設計変更などを関連付けながら製品情報を管理できます。実際の対象範囲や既存システムとの連携方法は、製品構成や業務要件に応じて検討する必要があります。
150% BOMの導入は何から始めるべきですか?
まず、製品ファミリーの単位、共通部品と可変部品、製品アーキテクチャ、選択可能なオプション、構成ルール、適用条件を整理します。そのうえで、E-BOM・M-BOM・S-BOMの関係、CAD・ERPとの役割分担、変更・承認の責任部門を確認し、対象製品や対象部門を限定して適用範囲を検討することが重要です。
まとめ:150% BOMは製品バリエーションを「構造とルール」で管理する考え方
150% BOMとは、製品ファミリーに含まれる共通部品、選択部品、代替部品、オプションなどを、一つの構成可能なBOMとして管理する考え方です。
そこに製品仕様、オプション、構成ルール、Effectivityなどの条件を組み合わせることで、顧客仕様や製造条件に応じた100% BOM、つまり特定製品の実構成を導き出します。
150% BOMを活用することで、製品バリエーションごとに似たBOMを増やし続けるのではなく、共通する製品構造と「どこが違うのか」を整理して管理しやすくなります。
一方で、150% BOMは部品を一つのBOMへ集約すれば完成するものではありません。製品アーキテクチャ、構成ルール、Effectivity、変更管理、製造可能性、E-BOM・M-BOM・S-BOMの役割、既存CAD・ERPとの連携まで含めて設計することが重要です。
自社に150% BOMが適しているかを判断する際は、「どのPLM機能を使うか」から始めるのではなく、現在どのように製品バリエーションを管理し、どこでBOMの重複や変更反映の負荷が生じているのかを整理するところから始めるとよいでしょう。
150% BOMやバリエーション管理の進め方をご相談ください
GBSでは、150% BOMの導入ありきではなく、現在のBOM管理や製品情報の流れを確認し、製品アーキテクチャ、構成ルール、E-BOM・M-BOM連携、既存CAD・ERPとの役割分担を含めて適用範囲を整理します。
- 150% BOMが自社に適しているか確認したい
- 製品・仕様ごとに増えた個別BOMを見直したい
- バリエーションやオプションを整理したい
- E-BOM・M-BOMの連携方法を検討したい
- Excelで管理しているBOMを見直したい
- CONTACT Softwareでの実現方法を確認したい
