PLM(Product Lifecycle Management)は、製品の企画、設計、製造、保守までの情報を一貫して管理し、
設計・製造・サービスを横断して活用するための考え方です。多品種・小ロット化や情報分断が進む中で、
製造業における業務効率化と品質向上の基盤として重要性が高まっています。[1][3][6]

導入について相談する

PLM導入支援を見る

CAD、BOM、工程情報が連携するPLMのイメージ

設計情報、BOM、工程情報をつなぎ、部門横断で製品情報を活用することがPLMの重要な役割です。

PLMとは

PLMとは、Product Lifecycle Management の略で、製品の企画、設計、製造、販売、保守までのライフサイクル全体で、製品に関わる情報を一貫して管理・活用するための考え方です。[8][9]

単に図面やCADデータを保管する仕組みではなく、図面、CAD、部品表(BOM)、仕様書、変更履歴などをつなぎ、
部門をまたいで必要な情報を活用しやすくすることがPLMの役割です。

製造業では、設計、製造、調達、品質、サービスといった各部門が異なる視点で同じ製品情報を扱います。
PLMは、そうした情報をつなぎ、判断や変更をスムーズにするための基盤と言えます。[6][8][9]

なぜ今PLMが必要なのか

個別化が求められる時代への変化

近年の製造業では、顧客ニーズの多様化に加え、より個別化された製品やサービスへの対応が求められています。製造のあり方も、従来の大量生産中心の発想から、顧客ごとの要求に柔軟に応える「マスカスタマイゼーション」や「個別化」を重視する方向へ広がっています。[1][2]

こうした変化は、製造現場においては、多品種・小ロット化や短い製品ライフサイクル、高頻度な設計変更対応という形で現れます。製品仕様や構成が頻繁に変化する中では、設計・製造・調達・サービスをまたいで、製品情報を正確かつ迅速に連携できることが重要になります。[1][2][3]

SNS時代に求められる品質とサービス

また現在では、製品やサービスに対する評価がSNSやオンラインレビューを通じて瞬時に共有・拡散される時代になっています。製品そのものの品質だけでなく、保守対応、納期、サポート品質なども含めて企業価値が評価されやすくなっています。[4][5]

そのため、設計情報や変更情報、保守情報を部門間で適切に共有し、継続的に品質を維持・改善するとともに、問題発生時にも迅速に判断・対応できる体制づくりが重要になっています。

部門ごとに分断された製品情報

一方で、多くの製造業では、図面、CAD、部品表(BOM)、仕様書、変更履歴、工程情報などが部門ごとに分散して管理されています。設計部門、製造部門、調達部門、サービス部門が、それぞれ個別最適で情報を管理しているケースも少なくありません。

その結果、

  • 最新版の図面が分からない
  • 設計変更が製造側へ正しく伝わらない
  • E-BOMとM-BOMが一致しない
  • 過去データを再利用できない
  • キーパーソンに聞かないと情報が分からない

といった問題が発生しやすくなります。[6][7][8]

PLMが重要なのは、単に情報を集約するためではありません。製品ライフサイクル全体で必要な情報をつなぎ、部門横断で再利用できる状態をつくることにあります。[6][8][9]

AI活用を支えるデータ基盤

さらに近年は、設計・製造・保守にまたがるデータを活用し、分析や自動化、AI活用につなげたいというニーズも高まっています。

ただし、AI活用の前提となるのは、使える形で整理された製品情報です。図面、BOM、工程情報、変更情報が個別に分断されたままでは、必要なデータを横断的に参照しにくく、継続的なデータ活用にもつながりません。

PLMは、日々の業務効率化だけでなく、将来的なデータ活用やAI活用の基盤づくりという意味でも重要性が高まっています。[6][8]

PLMが求められる背景

つまり今、PLMが必要とされている理由は、単にシステムを新しくするためではありません。個別化への対応、短納期化、部門分断、属人化、そして将来的なAI活用まで見据えたときに、製品情報を全社で一貫して扱える仕組みが、競争力の土台になっているためです。[1][3][6][8]

PLMが解決する代表的な課題

製造業では、次のような課題がよく見られます。

  • 部品表(BOM)がExcelで管理されている
  • 最新版の図面やBOMがどれかわからない
  • 図面、文書、部品情報が分散していて全体像を把握しにくい
  • E-BOMとM-BOMがリンクしていないため、現場で都度調整が発生する
  • 過去データの検索や再利用に時間がかかる
  • 情報が担当者に依存し、確認や意思決定が遅くなる
  • AIを活用したいが、製品情報やデータが分散しており活用できていない

こうした問題の背景には、情報そのものが不足しているというより、必要な情報同士がつながっていないことがあります。[6][7][8]
PLMは、この分断を解消し、部門横断で製品情報を活用しやすくするための仕組みです。[6][8][9]

E-BOM・M-BOM・S-BOMの違い

PLMにおいては、BOMを単一の形で管理するだけでは不十分です。
同じ製品でも、部門によって必要な情報の構造や粒度は異なります。[10][11]

  • E-BOM:設計部門が製品をどう構成するかを表す部品表
  • M-BOM:製造部門が実際にどう作るかという視点で再構成された部品表
  • S-BOM:保守・サービス部門が交換部品やメンテナンス単位で扱いやすいよう整理した部品表

重要なのは、すべての部門が同じ見え方の情報を使うことではなく、共通の製品情報を核にしながら、
各部門が自分たちの業務に合った形で情報を活用できることです。

PLM導入で期待できる効果

PLMを導入することで、次のような効果が期待できます。

  • 設計から製造、調達、サービスまでの情報連携強化
  • 設計変更の反映漏れや伝達ミスの防止
  • BOM整合性の向上
  • 過去データの再利用促進
  • 手戻りや確認工数の削減
  • 属人化の抑制と業務標準化の推進
  • 将来的なデータ活用・AI活用に向けた基盤整備

PLMは単なるシステム導入ではなく、製品情報を軸に業務全体のつながりを見直す取り組みでもあります。[8][9]

GBSが支援できること

GBSでは、PLM導入構想の整理から、E-BOM・M-BOM・S-BOMの設計、3D CAD導入支援まで、一貫して支援しています。

単なるシステム導入ではなく、設計・製造・サービスをつなぐ業務のあり方そのものを見直し、
現場で活用される運用定着まで伴走します。

  • PLM導入構想策定
  • E-BOM・M-BOM・S-BOM設計
  • 製品情報管理の整理・標準化
  • 3D CAD導入支援
  • 段階的な導入計画・定着支援

詳しい支援内容は
PLM導入支援ページ
でご覧いただけます。

PLM導入をご検討中ですか?

GBSでは、製造業における情報の分断やBOM管理の課題に対して、
業務も含めたPLM導入をご支援しています。


PLM導入支援を見る

参考文献

  1. S. Jack Hu, “Evolving Paradigms of Manufacturing: From Mass Production to Mass Customization and Personalization,” Procedia CIRP, 2013. https://doi.org/10.1016/j.procir.2013.05.002
  2. Da Silveira, Borenstein, Fogliatto, “Mass customization: Literature review and research directions,” International Journal of Production Economics, 2001. https://doi.org/10.1016/S0925-5273(00)00079-7
  3. “A Review of the High-Mix, Low-Volume Manufacturing Industry,” Applied Sciences, 2023. https://www.mdpi.com/2076-3417/13/3/1687
  4. Floyd et al., “How Online Product Reviews Affect Retail Sales: A Meta-analysis,” Journal of Retailing, 2014. https://doi.org/10.1016/j.jretai.2014.04.004
  5. You, Vadakkepatt, Joshi, “The effect of online reviews on product sales: A joint sentiment-topic analysis,” Information & Management, 2019. https://doi.org/10.1016/j.im.2018.04.007
  6. NIST, “Digital Thread for Smart Manufacturing.” https://www.nist.gov/programs-projects/digital-thread-smart-manufacturing
  7. Boubekeur et al., “Information sharing and exchange in the context of product lifecycle management: Role of standards,” Computer-Aided Design, 2008. https://doi.org/10.1016/j.cad.2007.06.012
  8. Sudarsan et al., “A product information modeling framework for product lifecycle management,” Computer-Aided Design, 2005. https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0010448505000400
  9. Arango Serna et al., “An approach to characterize and evaluate the quality of Product Lifecycle Management Software Systems,” Computer Standards & Interfaces, 2019. https://doi.org/10.1016/j.csi.2018.05.003
  10. Kim et al., “Integration of evolutional BOMs for design of ship outfitting equipment,” Computer-Aided Design, 2012. https://doi.org/10.1016/j.cad.2011.07.009
  11. Cao et al., “Research on static service BOM transformation for complex products,” Advanced Engineering Informatics, 2018. https://doi.org/10.1016/j.aei.2018.02.008