設備機器メーカーにおけるサービス業務改善とS-BOM構築の支援事例です。

本プロジェクトでは、設計・製造段階で管理されている製品情報を、アフターサービス業務でどのように活用するかという観点から見直しを行いました。

単にシステムを導入するのではなく、サービス現場で実際に発生している課題を起点に、業務と情報の流れを整理し、サービス業務で必要な情報を適切な形で扱える仕組みを構築しています。

本プロジェクトの全体像は以下の通りです。

サービス業務改善およびS-BOM構築の全体像

サービス業務改善およびS-BOM構築の全体像

導入前の課題

お客様では、サービス業務に必要な情報は一定程度整理されており、設計・製造側で管理されているデータをサービス業務に活用する取り組みも行われていました。

しかし、実際の業務においては、設計側に存在するすべての情報が、サービス部門で直接使いやすい形に連携されているわけではありませんでした。

  • 設計側には必要なデータが存在しているが、サービス部門で直接使える形にすべて連携されているわけではない
  • 製品構成が非常に複雑で、図面やBOMを見てもサービススタッフが判断に迷うケースがある
  • 必要な情報を特定するまでに時間がかかる
  • 最終的に設計部門への問い合わせに頼る場面がある
  • 情報は存在するものの、サービス業務で使いやすい形になっていない領域がある

つまり、課題は「情報が存在しない」ことではありません。
設計側にある情報を、どこまでサービス部門で直接活用できる形に連携し、どこから先は運用でカバーするかを整理する必要がありました。

課題の本質

プロジェクト初期に明らかになったのは、設計側が持つすべての情報を、サービス部門で直接使える形に連携すればよいわけではない、という点です。

製品構成が複雑な場合、すべての設計情報をサービス側へ連携しようとすると、設計部門側の情報整備・維持負荷が大きくなります。
また、サービス業務にとって必要以上に細かい情報が流れ込むことで、かえって現場での判断が難しくなる可能性もあります。

そこで本プロジェクトでは、次の方針を明確にしました。

  • サービス部門だけで判断できる情報は、S-BOMとして活用できる形に整理する
  • 判断が難しい領域は、設計部門への問い合わせ前提とする
  • 設計側のすべての情報を、サービス側へ無理に連携しない
  • システムで解決する領域と、運用でカバーする領域を切り分ける

このように、業務で現実的に回る線引きを行ったことが、本プロジェクトの重要なポイントです。

GBSの支援内容

GBSでは、サービス業務の実態を踏まえ、業務と情報連携の両面から改善を進めました。

  • サービス業務の現状調査
  • 業務フローの可視化
  • サービス現場での判断プロセスの整理
  • サービス部門だけで解決できる範囲の定義
  • 設計部門への問い合わせが必要な領域の整理
  • S-BOMに必要な情報項目の定義
  • 設計側データとサービス側業務の連携方針の整理
  • サービス業務に適したBOM構造の設計
  • システム構築および運用設計
  • 関係部門との調整、プロジェクト推進支援

特に重視したのは、単に設計側の情報をサービス側へ多く連携することではなく、サービス業務で本当に必要な情報を見極めることです。

どの情報をS-BOMとして扱うべきか、どの情報は設計部門への確認を前提とすべきかを整理し、サービス部門と設計部門の双方にとって現実的な運用に落とし込みました。

プロジェクトのポイント

1. 設計側データとサービス業務の適切な切り分け

設計側には、サービス業務に関係する多くのデータが存在します。
しかし、そのすべてをサービス部門で直接使える形に連携することが、必ずしも最適とは限りません。

本プロジェクトでは、サービス部門で日常的に判断できる情報と、設計部門への確認が必要な情報を切り分け、S-BOMとして扱う範囲を明確にしました。

2. サービス業務視点でのS-BOM設計

従来のBOMは、設計や製造を前提とした情報管理になりがちです。
一方で、サービス業務では、部品交換、保守、点検、問い合わせ対応など、現場で判断しやすい情報の持ち方が求められます。

そのため、GBSでは次の観点からS-BOMを設計しました。

  • サービス部門で判断が必要となる単位
  • 部品特定に必要な情報粒度
  • 設計部門への問い合わせが必要となる条件
  • サービス現場での検索性・確認性
  • 運用でカバーすべき判断領域

3. システムと運用のバランス設計

サービス業務改善では、すべてをシステムで解決しようとすると、かえって業務が複雑になることがあります。

本プロジェクトでは、システムで対応する領域と、人が判断する領域を整理し、サービス部門・設計部門の双方にとって無理なく運用できる形に落とし込みました。

これにより、単なるシステム導入ではなく、業務視点で現実的に使えるサービス情報基盤を構築しました。

導入後に期待される効果

本取り組みにより、サービス業務を支える情報基盤を再設計しました。

  • サービス部門での判断スピード向上
  • 部品特定・対応時間の短縮
  • 設計部門への問い合わせ内容の明確化
  • 不要な情報連携による業務負荷の抑制
  • サービス業務の標準化
  • 設計・製造・サービス間の連携強化

特に、サービス部門だけで判断できる領域と、設計部門への確認が必要な領域を整理したことで、業務の迷いを減らし、現実的に運用できる仕組みを実現しました。

このような企業におすすめです

  • サービス業務の効率を高めたい企業
  • 設計側のデータをサービス業務で十分に活用できていない企業
  • 製品構成が複雑で、サービス現場で判断に迷うことが多い企業
  • 設計部門への問い合わせが多い企業
  • システムと運用の両面からサービス業務を見直したい企業
  • S-BOM(サービスBOM)の構築を検討している企業

GBSからのメッセージ

サービス業務の改善は、設計側のデータをすべてサービス部門へ連携すれば解決するものではありません。

重要なのは、サービス部門で直接活用すべき情報と、設計部門に確認すべき情報を見極めることです。
そのうえで、システムと運用の役割分担を整理することで、現実的に使える仕組みになります。

GBSでは、PLM・BOM・業務改善の知見を活かし、サービス業務の可視化からS-BOM構築、システム化、運用定着まで支援します。

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